身長差15センチの関係 2
ドキッと硬直する高志。

弓倉はその高志を見ずに、
また咲木も見ないように視線を真直ぐにして答える。

「ない」
「全く?」

「ああ」
「気配も、可能性も、夢とか希望とかも?」

咲木が突っ込むたびに高志はハラハラとする。

一方、弓倉はポーカーフェースで全ての質問になしだと答えた。

「お父さんまた心配するよ。湊ちゃんみたいな女と付き合ってくれる人はやっぱりいないかもって」

「心配は無用。今後、その種のことは本人に直接訊ねるように伝えておけ。加えて“みたいな”と言う部分に強く抗議しておく」

「ああ、みたいなは、お母さんだった」

笑う、咲木。
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