,こだわり
今日、病院で何度もすれ違ったということは、きっと受診日が同じ曜日なのだろう。

ということはこの男とはまた病院で会う可能性が高い。

逃げたりしたらこの次会った時、何て言われるか分からない。

何で逃げたのだと責められて、結局、もっとしつこく付きまとわれる羽目になるかもしれない…



川淵のコンクリートの所まで来ると、男は薄い黒の鞄から週刊誌を取り出して、広げて地面に置いた。

そして私に向って

「はい」と言った。

拾えというのか?読めというのか?

男の行動の意味が分からずに私は腰を曲げて雑誌を掴んだ。

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