,こだわり
「お前、誰かに声掛けられてものこのこ付いて行くなよ。お前は不細工なんだから。間違ってもその不細工な顔を他の奴に近づけるなよ。恥ずかしいからな」

不細工、不細工と何だか暗示に掛けられているようだ。

私は少し考えると、浩哉の魂胆に気が付いてしまった。

「普通に浮気するなって言えばいいのに」

「何だ。分かるのか」

クックッと彼は笑った。

「じゃあはっきり言うが、俺と初めて会った時みたいに男が近づいて来ても、絶対、付いて行くな。身体にも触らせるな。ちょっとでも触られるようなことがあったら、お前もその男もぶん殴るからな。分かったか?」
 
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