,こだわり
土曜の午後、浩哉は私の部屋を訪れて、私に一枚のA4の紙を渡した。

紙は日本語や英語の文字やパソコンに入っているクリップアートで構成されたチラシだった。

「これと同じものを作ってみろ」

浩哉にそう言われて私は、パソコンの前に座りスイッチを入れた。

十五分くらいで、彼が持って来た紙と同じものが、私のパソコンの画面上に出来上がった。

「よし、合格だ」

私は嬉しかった。

何かをして肯定されたことなど、もう何年も経験していなかった。

私が笑うと、浩哉もにっこりして私の頭を抑えた。
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