,こだわり
「私の面倒をみたら、浩哉は仕事が増えて、また体調を崩してしまう」

「そんなの仕事の内に入らないよ」

彼は、馬鹿馬鹿しいと言うかのように笑って見せた。

「お前は俺がどんなにハードな仕事していたか知らないだろうけど、以前の俺の生活から考えたら、最近のこの生活なんて長期休暇みたいなもんだ。それでもどこぞの公務員とかよりは、よほど仕事しているけどね。俺が体調を崩したのは、お前が想像できないくらい仕事していた時だ。お前に仕事を教えるくらい屁でもないよ」

私は彼の言葉と強気な態度に安心した。

私の前では戸惑った物の言い方をする人が多いのに、どうして浩哉はいつもこんなにはっきりと物を言うのだろう。

今まで私の側には彼のような人はいなかった。
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