,こだわり
「今、夕飯を買いに行こうとしたところ」

「ふーん、じゃあ、買いに行くのは辞めにして。リカコと一緒にご飯食べようよ」

「どこで?」

「どこかお店で。品川の駅で待ち合わせしよ。三十分後に成城石井の前でどう?」

「成城石井・・・三十分後ね」

私が人の声が飛び交う所に長く居られないのは、リカコは勿論分かっている。

だから先ずこんな風に外食に誘うことは、今まではなかった。

リカコが私に外食をしようということは、私を懲らしめようとしているのかもしれない。
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