,こだわり
生まれてこの方、私は一人前の人間として誰かに認めてもらったことはあるのだろうか?

父にとっても母にとっても、私はいつまで経っても出来そこないの子供でしかない。

仕送りをし、お手伝いさんを差し向けなければならない、お金も世話も掛かる子供だ。

センターの職員や医者は、私のことは薬では治らない厄介な障害の塊にしか見えなかったのだろう。

私はいつも彼らから何かを教え込まれるばかりで、普通に挨拶を交わしたり、一般的なおしゃべりをしたりした覚えはない。

< 169 / 222 >

この作品をシェア

pagetop