,こだわり
「そうなんだ。難しい病気なんだね。まあ大抵、神経の病気っていうのは難しいもんだよね。よく考えれば俺も、自分で自分の病気を説明しろと言われたら、きちんとはできないもんな」

彼は鞄からケースを取り出して、そこから一本タバコを取り、口に銜えて火をつけた。

それから携帯の灰皿をズボンのボケットから取り出した。

私は彼の吐く煙が流れる方向を見た。

対岸では白い小型犬を連れた女性が歩いていた。

彼女がリードと一緒に持っている物が良く分からない。

犬が立ち止まる。

すると彼女も立ち止まった。

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