,こだわり
顔やシーツが涙で濡れても、本当はどうでも良かった。

しかし、ベッド脇のテーブルにティッシュの箱が置いてあるのを見つけると『拭かなければ』と感じた。

普通の人はそうするだろうという観念が、私にそうすることを強いたのだ。




私は箱からその本体を覗かせているティッシュに、手を伸ばした。







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