,こだわり
「私は二時にマンションの前に立っていればいいですか?」

「いや、車だから交通事情によって時間がずれるかもしれないから、部屋の中で待ってなよ。着いたよって電話するからさ」

「着いたよって電話・・・」

「俺が電話で着いたよって言ったら、部屋を出てくればいいから」

「浩哉さんがマンションの前に着いたよって電話で言って来たら、私は部屋を出て行けばいいの?」

「そうそう。了解?分かった?」

「うん。分かった」

私はこの知り合ったばかりの年上の男性に、どんな言葉遣いをしていいのか迷ったまま話をしていた。

その結果、片言だったり、変に畏まったり、全くちぐはぐな言葉が私の口から飛び出してしまうことになった。
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