,こだわり
思春期を過ぎた辺りから、私は自分が人と明らかに違うことを自覚した。

見た目は普通でも、内面が欠陥だらけの私は、同世代の誰からも相手にされなかった。

そしてそんな自分が、男性に興味を持つことは、恥しらずだという気持ちが生まれた。

いや、もしかしたら誰かにそういう風に吹き込まれたのかもしれない。

とにかく私は、自分は男性に興味を持ってはいけないものだと、何となく思い込んでいた。


しかしあっけらかんと誘ってくる彼の前で、私はそんな自分の気持ちを忘れた。


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