,こだわり

ホテルで -3-

彼が私の上で動き出すと、不思議と私の混乱は少し治まって来た。

私はセックスの最中に目を閉じたり、開いたりしていた。

空虚に耐えられなくなると目を開き、カーテンの光に拘束されそうになると目を閉じた。

きっとはたから見れば、私のこの落ち着かない様子も、セックスの最中なら許される気がした。

そういう気がしたせいか、私は発作を起こさずに済んだ。

「中に出していいか?」

彼は息を弾ませながら、小さい声で私に訊いた。
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