,こだわり
「さっきみたいに何かが気に掛かるとそこから視線を外せなくなったり、動けなくなったりすること。
色々な音が飛び交う場所には苦しくて居られないこと。
そういったことを我慢したり、どうにかしようとするとパニックになって失神したりすること」

彼は少し眉をしかめて、黙って聞いている。

「あとは目から入って来た情報を覚えられない。だから人の顔もほとんど認知できていない」

「人の顔を認知できないって言ったって今日、俺と待ち合わせできたじゃない。どうやって人を覚えているの?」

「声」

「声?」


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