,こだわり
だけど私は、そんなことはリカコには言わない。

かと言って、大歓迎の笑みを顔に浮かべて、リカコをこの部屋に招き入れることもしない。

あくまで迷惑ではないが嬉しくもない、そういった表情と台詞でリカコを部屋に迎き入れなければならないのだ。


なぜそうなのかは、自分でも分からない。

分からないが、私の中にはリカコに対するそういうルールがいくつかある。

いつの間に作られたのかも分からないそのルールに従って、私は彼女に対して一定の距離を保っていた。


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