,こだわり
「もっといいホテルに行きたかったか?」

彼はティシュを数枚、箱から引き抜いて私に渡した。

私は驚いて彼を見た。

そんなことは全く考えていなかったから。

ティッシュを受け取ったまま動かない私を見かねて、彼は私の手から再びティッシュを取り上げた。

そして私の顔を拭いてから、膝の上の鼻血を拭き取った。



よく見ると鼻血はシーツの上にも赤い円になって落ちていた。


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