,こだわり
リカコは服を脱いで、下着姿でバスルームに入って行った。

リカコはほどほど綺麗だ。

なぜほどほどなのか。

艶が無いのだ。

色っぽい艶でなく、表面的な艶がない。

それは何て言うか、自分のことしか考えられないくせに、自分を拒み続けている人間の宿命的な姿だ。



「希菜ちゃん、好きな人出来た?」

シャワーを浴びた後に一糸まとわない姿で、ひどく甘えた声でリカコは訊いた。

私はそんなリカコを、しばし呆然と見つめる。
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