,こだわり
私は想像した。

海でリカコと強い日差しを浴びて、海水を手ですくって遊ぶ・・・

だけどやはり頭に浮かぶのはリカコの唇だ。

ひどく甘い声を発する弾力のある唇。

きっと私は何かの拍子に、リカコの唇をなぞるだろう…無意識に、中途半場に。

そうしたらきっと、今よりもっと中途半端にリカコを受け入れて・・・だけどそうした時、リカコはどう思うのだろう?

欲求不満に苛まれるに違いない。

リカコの中の私は、彼女のことが一番大事なはずだから。

一番大事なはずだから、このスタンスで向き合っているのだと、リカコはきっと思っている。
< 81 / 222 >

この作品をシェア

pagetop