,こだわり
父がサングラスを掛ける瞬間を見ていなかった私は、喋りながら横を見ると、自分が知らない男性に話しかけていることに気が付いた。

慌てて周りを見回すと、私と同じように連れ立って下校する親子が何組かいるだけで父の姿はなかった。

私の中でサングラスを掛けた父は、周りにいる知らない人達と同化してしまったのだ。

父とはぐれてしまったと思った私は、父を探す為に猛スピードで走り出していた。

そして本当に父とはぐれてしまったという事があった。



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