,こだわりのレビュー一覧
病気を持つ彼女の視点は不思議で、何気ない会話もおもしろく感じた。 生々しいがエロくない性の描写は、逆にそれが彼女が病気であるということを際立たせている。難しくなりそうな話をうまくまとめてあって、さらりと読める逸品でした。
この世で与えられた障害は……幸か不幸か。 いったい、人が考えた普通って何なのか? ドラマチックなサスペンスも手に汗握る展開もなかった………… なのに……こんなに胸揺さぶられ涙が流れたのは何故か? 深い意味のある小説です、そんな言葉でしか言えないけど……… 真剣に、おすすめしたいです。
例えば 感情の起伏を表現するとすれば、喜びは喜びとして『如何に喜んでいるのか』を表現すれば、大抵の場合は事足りる筈。 もしも 感情を上手くコントロール、又は自分の感情を理解する事に不自由を覚える人間の、心理描写を表現するとすれば? それを絶妙かつ不可思議な心理描写で書き上げた本作品!! 主人公は感情を分解して考察しないと理解出来ない『当然』から少し外れてしまった不器用な女性。 そんな彼女が一人の男性との出会いで、感じた事の無い『心の動き』に戸惑いつつも受け入れようと無意識に努力する。 テーマ性が、ある意味異質であり、当然のように重くなりがちなストーリーだが、主人公の『理解し難いが為』の客観的な視線の為か、悲観的になる事なく読み進める事が出来る。 是非とも 最後に訪れる『ささやかな希望』に心震わせていただきたい。
「おもしろい子」だったり「不思議ちゃん」だったり、評価はどうあれ、絡みにくいイメージの子。 そんな女性から見た世界が赤裸々に描かれ、興味深く読みました。 「これで終わり!?」って感じの終わり方が、この場合はちょうどイイのかもしれません。 すっきりとした文で淡々と書かれているのが、世界観にぴったりでした。 外見ではわからず、福祉の対象にもならないのに確実にある障害。 福祉・教育関係者は必須、それ以外の方にもぜひ読んで、知ってもらいたいお話しです。