月のうさぎに犯されて
「そう?私は特別待遇の方だったらめっちゃ嬉しいんだけど。だっていわゆるVIPよ、VIP」
「嫌よ。私はみんなと違う扱いなんてされたくない」
有紀はつん、と唇を尖らせた。
何だよ。みんなと違って美人なくせに。
「いいじゃん。だって差別されるわけじゃないし」
「同じ。立派な差別よ」
有紀の体が揺れた。
有紀はスローモーションで後ろに吸い寄せられていく。
王子様の胸元に。
「よ。元気?」