月のうさぎに犯されて
有紀は健を突き飛ばした。
だけど、健の体はびくともしなくて、有紀の方が離れていった。
「何してんのよ!ばか!!死ね!」
「いいじゃんか。付き合ってんだし」
健はしれっと言う。なんか風格みたいのが出てるよ。
「場所を考えろって言ってんの!ここどこだと思ってんの!?」
「え?2―Cだろ?」
有紀の顔には血管が浮かんでた。私と同じで血は赤いのかな?
「もういい!帰って!」
「はいはい。お邪魔しました。じゃ、メールするから。真奈美、鼻毛出てるぞ」
私は手を振る代わりに中指を立ててやった。
有紀は張り裂けるくらいに怒鳴ってる。
健は私達にいたずらっぽい笑顔をしっかり見せて、自分のクラスに帰っていった。