ココアブラウン
会議室のドアが開いた。
部長がメモを片手にオフィスに入ってきた。
全員がそちらを見る。
「全員残ってるな。今日のCD-ROMの件について発表する。まだ詳しいことは何もわからないが悪意の第3者が取引先名簿を入手してコンピュータウィルスの組み込まれたプログラムを送りつけている。とりあえず取引先への説明は終わったが原因の調査を早急に行わなければならない。営業のものはこれまでと同じように業務を。それから」
部長はひとつ息をついた。
「事務はすべてのシステムを使わないように。サーバー・プリンタも含めて凍結した。どこかのシステムにウィルスが紛れ込んでるかもしれないから当面は旧式の紙ベースでの事務作業を進めてくれ。並行して原因の調査も行う」
営業のオトコたちから肩の力が抜けていくのが見えるようだ。
自分たちに火の粉が降りかかることがないことを自覚して、部長が話し終えると同時にざわざわと話し始める。急に自宅に電話をかけるものさえいた。
「西田くん」
部長はあたしを呼んだ。
「とにかく事務作業に滞りのないようにしてくれ。やり方は任せる。以上」
部長がメモを片手にオフィスに入ってきた。
全員がそちらを見る。
「全員残ってるな。今日のCD-ROMの件について発表する。まだ詳しいことは何もわからないが悪意の第3者が取引先名簿を入手してコンピュータウィルスの組み込まれたプログラムを送りつけている。とりあえず取引先への説明は終わったが原因の調査を早急に行わなければならない。営業のものはこれまでと同じように業務を。それから」
部長はひとつ息をついた。
「事務はすべてのシステムを使わないように。サーバー・プリンタも含めて凍結した。どこかのシステムにウィルスが紛れ込んでるかもしれないから当面は旧式の紙ベースでの事務作業を進めてくれ。並行して原因の調査も行う」
営業のオトコたちから肩の力が抜けていくのが見えるようだ。
自分たちに火の粉が降りかかることがないことを自覚して、部長が話し終えると同時にざわざわと話し始める。急に自宅に電話をかけるものさえいた。
「西田くん」
部長はあたしを呼んだ。
「とにかく事務作業に滞りのないようにしてくれ。やり方は任せる。以上」