ココアブラウン
「せんぱーい。あたし旧式の作業なんて知らないですけど」
緊張の糸がほどけたのを見て取ったのか絵里があたしに話しかけてきた。
「今パソコンでやっていることぜーんぶ、紙でやれってことでしょ?そんなアナログなこと私できない」
「やらなければならないのよ。それに私が入社した当時は全部紙でやってたわ」
「そんな昔のこと今いる子達だれも知らないですよ。教えられてもないし」
「明日から私が教えるから覚えて。私はどこから名簿が漏れたのか調べるから」
「なんで、そういうこと私たちがやらなければならないんですか?もっと偉い人たちがやればいいじゃないですか?」
「実際に業務をこなしている人間でなければ細かいことはわからないの。偉い人たちは調査結果をまとめてしかるべきところへの発表とかそういうことをやるのよ」
「部長って私たちのことなんだと思ってるんでしょうね。こんなことイヤっていってもいいんじゃないの」
「責任ってのがあるじゃない」
「責任ね、先輩だって役職があるわけでもないただのOLなのによくそんなことやろうと思えますね。給料以上のこと私にはできないです。私、先輩みたいにできない」
絵里はそっぽを向くように自分の机に向かいなおした。
緊張の糸がほどけたのを見て取ったのか絵里があたしに話しかけてきた。
「今パソコンでやっていることぜーんぶ、紙でやれってことでしょ?そんなアナログなこと私できない」
「やらなければならないのよ。それに私が入社した当時は全部紙でやってたわ」
「そんな昔のこと今いる子達だれも知らないですよ。教えられてもないし」
「明日から私が教えるから覚えて。私はどこから名簿が漏れたのか調べるから」
「なんで、そういうこと私たちがやらなければならないんですか?もっと偉い人たちがやればいいじゃないですか?」
「実際に業務をこなしている人間でなければ細かいことはわからないの。偉い人たちは調査結果をまとめてしかるべきところへの発表とかそういうことをやるのよ」
「部長って私たちのことなんだと思ってるんでしょうね。こんなことイヤっていってもいいんじゃないの」
「責任ってのがあるじゃない」
「責任ね、先輩だって役職があるわけでもないただのOLなのによくそんなことやろうと思えますね。給料以上のこと私にはできないです。私、先輩みたいにできない」
絵里はそっぽを向くように自分の机に向かいなおした。