ココアブラウン
告げる
携帯のコール音は鳴るか鳴らないかの早さで電話の向こうから絵里の声が聞こえる。
「はーい、浅井でーす」
背後に人のざわめく声とピアノの音が聞こえて、あたしは言葉に詰まった。
「もしもーし」
「会社からだから出ないかと思った」
「あ、先輩。まだ残業してるんですか?今、わたし、雄治さんと新ちゃんが一緒。会社のそばのニューオープンの店にいるんですよ。よかったらこっち合流しません?」
「絵里ちゃん、大事な話があるの。会社に来れないかな?」
「今から?残業代でないですよね、明日にしましょうよ」
「とっても大切なことなの、ねえ、お願いだから来てくれない」
音が途切れる。
受話器の向こうで話してる気配が伝わってきた。
「新と雄治さんの三人で戻りますよ」
「だめ。絵里ちゃんひとりで来て」
すぐ行きます、絵里はそう言って電話を切った。
「はーい、浅井でーす」
背後に人のざわめく声とピアノの音が聞こえて、あたしは言葉に詰まった。
「もしもーし」
「会社からだから出ないかと思った」
「あ、先輩。まだ残業してるんですか?今、わたし、雄治さんと新ちゃんが一緒。会社のそばのニューオープンの店にいるんですよ。よかったらこっち合流しません?」
「絵里ちゃん、大事な話があるの。会社に来れないかな?」
「今から?残業代でないですよね、明日にしましょうよ」
「とっても大切なことなの、ねえ、お願いだから来てくれない」
音が途切れる。
受話器の向こうで話してる気配が伝わってきた。
「新と雄治さんの三人で戻りますよ」
「だめ。絵里ちゃんひとりで来て」
すぐ行きます、絵里はそう言って電話を切った。