ココアブラウン
どれだけ飲んだんだろう?


何を話したんだろう?

あたしは実際のところ立っているのがやっと。

視界は雨の日のウィンドーのように潤んでいた。

まぶたがワイパーのように視界を広げる。

「よし、じゃ、俺送ってきます」

「なんかしたらお前クビだからな。わかってるな」

「いやあ、ゆかちゃんがOKならクビにならないでしょ?やるだけやりますよ」

「まったく。俺、絵里送っていくから。気をつけてな」

ぼんやりと眺めると絵里は雄治の腕にぶら下がるようにして上目遣いに見ていた。

それはオンナのあたしが見てもドキッとするくらい色っぽくて。

絵里の緩やかな髪は流れるように乱れていた。



「おつかれ!!」

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