ココアブラウン
「西田くん、だから」
「あ、すみません。ちょっと聞き逃しました。少しぼうっとして」
部長はあたしに一枚のメモ用紙を渡した。
「ここがあいつの入院先だ。浅井にも伝えてやってくれ。1週間もしたらけろっと戻ってくるだろうから、私はあいつの受入部署を探すよ。戻ってきたら転勤させるから。あいつも担当を譲るとわがまま言って私を困らせたが、今となってはそれがあったから今回の件もスムーズに解決できそうだ。西田くん年明け早々で悪いがすぐに準備をしてくれ」
ー転勤ってどこだろう?国内だろうか、それとも海外?ー
部長はこれから探すといってる。
どこに決まるかはわからないけど、戻ってきても離れ離れになってしまう。
でも、新はあたしのことは好きじゃない。
付き合ってるわけでもない。
連れてってと泣きじゃくるわけにはいかないんだ。
それでいいのかもしれない。
新はあたしをかばってくれた。
それだけでもう何も望むものなどないんだ。
どこか遠くで新が幸せになるよう祈るくらいしか、あたしが新にしてあげられることはない。
「あ、すみません。ちょっと聞き逃しました。少しぼうっとして」
部長はあたしに一枚のメモ用紙を渡した。
「ここがあいつの入院先だ。浅井にも伝えてやってくれ。1週間もしたらけろっと戻ってくるだろうから、私はあいつの受入部署を探すよ。戻ってきたら転勤させるから。あいつも担当を譲るとわがまま言って私を困らせたが、今となってはそれがあったから今回の件もスムーズに解決できそうだ。西田くん年明け早々で悪いがすぐに準備をしてくれ」
ー転勤ってどこだろう?国内だろうか、それとも海外?ー
部長はこれから探すといってる。
どこに決まるかはわからないけど、戻ってきても離れ離れになってしまう。
でも、新はあたしのことは好きじゃない。
付き合ってるわけでもない。
連れてってと泣きじゃくるわけにはいかないんだ。
それでいいのかもしれない。
新はあたしをかばってくれた。
それだけでもう何も望むものなどないんだ。
どこか遠くで新が幸せになるよう祈るくらいしか、あたしが新にしてあげられることはない。