ココアブラウン
あたしは銀行の封筒を差し出す。隆太の養育費、どうせ夫が払ってるわけはない。
振り込んでもよかったのだけど、なんだか無性に美樹に会いたくなって無理をいって時間を作ってもらっていた。
2か月分の養育費をあたしは美樹に手渡そうとした。
「何やってるのよ。これはあなたが払うものじゃない。それにあなた会社辞めるんでしょ?私はそんなことをしてもらわなくても西田から取るものはきちんとぶん取るわよ」
美樹はタバコを取り出して火をつけようとした。
ちらりとあたしを見て、またタバコをシガレットケースにしまいこむ。
ちょっとごめんね、と言って美樹は応接室を出て行った。
すぐに戻ってきてあたしの前に缶入りのオレンジジュースを置いた。
あたしがお礼を言ってプルトップを引くと、その横にすっと封筒を置いた。
「由香里さん、あなたが持ってきたこれまでのお金、全部あなたに返すわ」
「だって、これは隆太くんの養育費で」
「いい、このお金はこれから絶対に必要になるものよ。子どもを育てるのにどれだけお金がかかるか、私は経験したから知ってるの」
振り込んでもよかったのだけど、なんだか無性に美樹に会いたくなって無理をいって時間を作ってもらっていた。
2か月分の養育費をあたしは美樹に手渡そうとした。
「何やってるのよ。これはあなたが払うものじゃない。それにあなた会社辞めるんでしょ?私はそんなことをしてもらわなくても西田から取るものはきちんとぶん取るわよ」
美樹はタバコを取り出して火をつけようとした。
ちらりとあたしを見て、またタバコをシガレットケースにしまいこむ。
ちょっとごめんね、と言って美樹は応接室を出て行った。
すぐに戻ってきてあたしの前に缶入りのオレンジジュースを置いた。
あたしがお礼を言ってプルトップを引くと、その横にすっと封筒を置いた。
「由香里さん、あなたが持ってきたこれまでのお金、全部あなたに返すわ」
「だって、これは隆太くんの養育費で」
「いい、このお金はこれから絶対に必要になるものよ。子どもを育てるのにどれだけお金がかかるか、私は経験したから知ってるの」