ココアブラウン
第2章

塞ぐ

家に帰っても夫はまだ戻っていなかった。

今日は何時に戻るのか、食事を家で取るのか取らないのか、それすらもあたしは知らない。


ただ、いつ戻ってもいいように準備だけは整えておく。


深夜2時をまわって夫が帰宅した。



「風呂入って寝る」

「話があるんだけど・・・」

「明日にしろ」



こういうときの夫に無理を言っても怒りを買うだけだ。

あたしはあきらめてベッドのシーツをかけなおした。



風呂場からシャワーの音が聞こえる。


帰ったら当たり前のようにお風呂が沸いていてタオルが自動で出てくると思っているんだろう。


何をいっても無駄だ。あたしはそのままかけなおしたばかりのシーツに横たわった。
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