ココアブラウン
あたしたち夫婦は・・・。


なんで一緒に暮らしているのだろう・・。


31歳を過ぎるころ、世の中では負け犬という単語がはやっていた。

「30歳を過ぎていて」「独身で」「子どもがいなくて」

確かにあたしはその条件に当てはまっていた。



ただひとつ違うことは「負け犬」といわれる人たちは自分にお金をかけて同じ仲間がたくさんいた。



そして。


何より華やかだった。


自分で自分のことを「負け犬」といいながらそのアイデンティティに誇りをもってさえいるようだった。

あたしはただただ月日が過ぎて「愛され系OL」にも「負け犬」にもなれず31歳を過ぎようとしていた。


そんな時、会社に出入りする生保レディが持ってきた話がいまの夫だった。
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