ココアブラウン
残りの休み、あたしは髪を切りココアブラウンに染め変えた。

ずっと行っていた美容院をやめ雑誌に載ったヘアサロンに行った。

眉を切った。

めがねを外しコンタクトに変えた。

バックはずっと入ったことのなかったルイ・ヴィトンで店員が三つだしてきたものから選べなくて全て買い取った。

化粧はスーパーで買っていた安いものを捨てデパートで一式買い揃えた。

そこで眉とアイラインの引き方を聞いた。

ネイルサロンに行き爪を整えた。

エステに通った。

毎日毎日違う店に行った。どの店も慇懃無礼に思えた。


　例えば蒸しタオルを巻いた抵抗できない状態でトリートメントを奨めてきたり、高価な化粧品を出してきたりした。


あたしはとにかく奨められるもの全てを買った。

断れば馬鹿にされる。きれいになれるなら何でも構わなかった。

馬鹿にされないためなら散財するのも惜しくなかった。

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表紙・目次

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