キミと、世界の果てまで。



それからの事は、よく覚えていない。

気が付いた時には、あたしは学校の保健室のベッドで寝ていた。



…隣のベッドには、レンの姿も。




「赤羽さん、目が覚めたのね?」



「って、先生…?」




カーテンからひょっこり顔を出した保健医の先生の姿を見て、あたしはガバッと勢いよく起き上がる。


綺麗に整頓されて置かれていた上靴を履くと、あたしは先生の着ている白衣を掴んだ。




「先生、みんなは…?」



「みんな?」



「今朝、学校中の生徒が気分悪くしてたでしょ…?先生だって倒れて―――」



「何言ってるのかしら、赤羽さん?」



「へ?」



「今日保健室に来たのは、あなた達が初めてよ?それに、気分が悪いなんて訴えてきた生徒は誰も居ないし、私だって倒れて無いわよ」




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