キミと、世界の果てまで。



…嘘、でしょ?




「それに、倒れたのは赤羽さんなんだからね?」



「はい…?」



「あら、覚えてないの?赤羽さん校門の所で倒れていたらしくて、編入生の沖沼レンくんだっけ?彼が赤羽さんを此処まで運んできてくれたのよ?」



「え、レンが…?」



「沖沼くんは、赤羽さんが目を覚ますまで此処に居るって言い張って、結局ベッドで寝ちゃったみたい」




クスクスと笑いながら、先生はレンとあたしのを交互に見る。



訳が分からない。

どこまでが現実で、どこまでが空想の世界なのか、まったく区別が付かない。




「ま、赤羽さん起きたし一安心か。先生ちょっと会議があるから、少し抜けるわね?」



「は、はい…。ありがとうございました…」




ペコリと控えめに頭を下げたあたしは、先生が部屋を出て行ったのを隠して、隣のベッドで絶賛睡眠中のレンの頭を、力の限りシバいた。




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