キミと、世界の果てまで。



灰色の世界など、もう存在しない。


あたしの好きな風景が、目の前に堂々と存在していた。




「やっぱりこの町には緑がないとな?ミライ」



「護れたんだ…、あたしは大切なモノをひとつ、護る事が出来たんだ―――!」




勢いよくレンの方に振り向くと、そこにはキーホルダーと化した、緑色をしたチャームがレンの手元にあった。


チャームがあたしの手に渡り、そっと握り締める。




「封印という作業も、体力を消耗するんだよな。ミライは今回張り切りすぎて、封印した直後に気を失った」



「そうなの…?」




だから、呪文を唱えた後から、記憶が無かったんだ。




「急いで空を飛んで学校に戻ると、気分を悪くしたヤツも倒れたヤツも、元気そうにピンピンしながら授業受けてたから、ミライには悪いけど嘘付いて、保健室で休んでたんだよ」




「途中から授業参加するのもダルいしな」と付け加えたレンは、あたしの手にもうひとつチャームを加えた。




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