キミと、世界の果てまで。



ベッドに戻り、チャームとクロスのペンダントを見比べていると、凄い音を響かせながら保健室のドアが開いた。


その音に驚いたあたしは、思わずクロスとチャームを落としそうになるけど、グッと堪える。




「ちょっと!今の誰―――」



「大丈夫か未来?」



「倒れたって聞いて心配してたんだよ?未来ちゃん!」




叫ぼうとしたあたしの口は、カーテンの隙間から姿を見せた二人によって、そっと落ち着きを取り戻していく。


あたしは二人―――寛司と愛海ちゃんに、視線を向ける。




「あたしは大丈夫だよ。元気満々だし」



「よ…よかったぁ、未来ちゃーんっ!」




あたしの言葉に安心したのか、愛海ちゃんが思いっきりベッドにダイブしてきた。


ベッドのスプリングが軋む。


変わっていない寛司と愛海ちゃんの姿を眺めながら、そっとクロスのペンダントと二つのチャームを、制服のポケットに忍ばせた。




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