キミと、世界の果てまで。



ベッドに身体を預ける愛海ちゃんから、寛司に視線を移す。


なんだか眉間に皺を寄せている寛司だけど、寛司の身に何も起こっていなくて、内心ホッとした。




「それよりさ、未来ちゃんとレンくんに、大大大ニュースがあるんだよね、寛司くん!」



「あ、ああ…」




愛海ちゃんの声に我に返った様子の寛司は、あたしの顔をジッと凝視してくる。


何だろう?と疑問を感じ始めた頃、愛海ちゃんの口から爆弾発言が投下された。




「来月ある文化祭の事なんだけど、生徒会主催で告白大会があるらしいの!」



「そうなんだ…」




うちの学校は一学年一クラスの、なんとも寂れた高校なんだけど、年に一回、全校生徒が力を注ぐイベントがある。


それは―――文化祭。


商業の中心地とこの町を隔てる山を越えて、たくさんの人が訪れる文化祭は、あたしと同じ世代の人と触れ合える唯一のチャンスなのだ。




「その告白大会にね、うちのクラスの代表として、二人が決まったの!」



「二人…?」



「そう、未来ちゃんとレンくんの二人が!」




.
< 110 / 312 >

この作品をシェア

pagetop