キミと、世界の果てまで。
ベッドに身体を預ける愛海ちゃんから、寛司に視線を移す。
なんだか眉間に皺を寄せている寛司だけど、寛司の身に何も起こっていなくて、内心ホッとした。
「それよりさ、未来ちゃんとレンくんに、大大大ニュースがあるんだよね、寛司くん!」
「あ、ああ…」
愛海ちゃんの声に我に返った様子の寛司は、あたしの顔をジッと凝視してくる。
何だろう?と疑問を感じ始めた頃、愛海ちゃんの口から爆弾発言が投下された。
「来月ある文化祭の事なんだけど、生徒会主催で告白大会があるらしいの!」
「そうなんだ…」
うちの学校は一学年一クラスの、なんとも寂れた高校なんだけど、年に一回、全校生徒が力を注ぐイベントがある。
それは―――文化祭。
商業の中心地とこの町を隔てる山を越えて、たくさんの人が訪れる文化祭は、あたしと同じ世代の人と触れ合える唯一のチャンスなのだ。
「その告白大会にね、うちのクラスの代表として、二人が決まったの!」
「二人…?」
「そう、未来ちゃんとレンくんの二人が!」
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