キミと、世界の果てまで。



正直、気が乗らない。


それは、あたしのモヤモヤの原因でもある、ある“イベント”の開催が、一刻一刻と近付いてきていたからだった。




「そういえばさ、お姉ちゃん」



「何?」



「今年の文化祭って大イベントがあるらしいね!なんだっけ?告白大会だっけ?」




ピキッと血管が切れる音がする。




「各クラスの代表者男女一人ずつが熱い思いをぶつけるんでしょ?いやあ青春だねっ…!」




朱里には、告白大会の件を話していない。というか、クラスメート以外誰も知らない。


あたしがムキになって引き受けたという話は、クラス中に広まり、今では誰も告白大会の話題をあたしの前では出さなくなっていた。



分かりやすく言えば、禁止ワード的なモノだろうね。




「朱里、あたし行くから」




櫛をドレッサーへ戻すと、あたしは足早に自分の部屋を出て行った。




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