キミと、世界の果てまで。
寛司の金髪が頬に当たり、少しくすぐったく感じる。
体温が急上昇していくのを感じ始めた時、寛司はあたしから距離を取り、両手首を離した。
唐突過ぎる寛司の行動に、あたしは咄嗟に自由になった手首を、顔の前に持って行く。
…そこは、掴まれていた事により、少しだけ赤くなっていた。
「寛司…」
「なんて、な」
「…は?」
「たく、未来は隙ありすぎなんだよ。こんな調子だと、すぐにどっかの狼に食われちまうぞ?」
「どどどっかの狼って…!」
そこまで言いかけて、あたしは眉を寄せる。
―――あ、れ?
なんだか寛司の態度、いつも通りに戻ってない?
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