キミと、世界の果てまで。
「何突っ立ってんだよ未来」
「へ?」
「もしかして、本当に俺とあまーい展開になると思ってた?」
今では笑顔満開の寛司に、何だか怒りが込み上げてくる。
あれだけあたしを心配させたというのに、ただからかっていただけですか?え?どうなのよソコ!
「やっぱ寛司最低!女心分かってない!」
「いや分かってるつもりだけど?俺に見つめられたら、心臓飛び出そうなくらいにドキドキする事くらい」
「そんな自分のナルシスト精神なんて聞いてない!もう、先行くから!」
「って、待てよ未来!」
学校への道のりを全力疾走するあたしと寛司は、やっぱりこうでないといけないと思う。
気まずい関係なんて、あたし達には似合わない、そうよね?
結局寛司の悩みは謎のままだけど、とりあえず気まずさが無くなっただけマシだ。
澄んだ空気の中を風になったように走るあたしは、そんな事を思っていた。
あたしの後ろを走る寛司の表情が、少しだけ悩ましげなモノだという事に気付かないまま―――
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