キミと、世界の果てまで。



焼き鳥はあたし達の予想を遥かに上回る売り上げで、在庫上の関係で、あたし達午前シフトの仕事は早めに終わる事となった。


午後シフトの人に受け継ぎをした後、あたしは愛海ちゃんと文化祭に繰り出す。




「いやぁ、忙しかったね!」



「あまりの忙しさに、正直首が取れるかと思ったよ」



「何それー!」




キャアキャア騒ぐあたし達は、どこから見ても普通の女子高生。


ド田舎に住んでいる女子高生だけど、やっぱり女の子と騒ぐと、悩み事なんかも吹っ飛んでいきそう。


階段を降りて玄関に向かうと、見覚えのある金髪二人組みが、女の子と楽しげに談笑していた。



その光景に気が付いた愛海ちゃんが、あたしの肩を叩いてくる。




「あれ、レンくんと寛司くんだよね?文化祭でナンパしてるのかなぁ?」



「…いや、あれはナンパじゃないよ」



「え?」




あたしは愛海ちゃんの手を引っ張り、レンと寛司の元へと向かう。


二人と話している女の子に、あたしは心当たりがあった。




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