キミと、世界の果てまで。



「しっかし朱里、大きくなったよな。もう中学生だっけ?」



「そうだよ!寛司くんこそ格好良くなって、一瞬誰か分からなかったよ!」




あたしと寛司が腐れ縁という事で、朱里も寛司の存在は知っている。


久しぶりの再会に、寛司と朱里は完全に二人の世界に入っていた。




「ミライに妹がいるなんて知らなかったわ」



「レンくんの言う通りだね」



「そ、そうかなぁ?」




レンがあたしにいつもと変わらない微笑みを浮かべてきた事に反応し、思わず戸惑ってしまう。


よく考えれば、これが今日のレンとの初会話。


お昼前までよく話さなかったなぁ、と驚くと同時に、あたしの視線はある看板の文字を捉えた。



どくん…

ドクン…



身体中に流れる血液が、急に止まったように感じる。


必死に忘れようとしていた現実が、看板を見てしまった事により、一気に心の中を乱し始めた。




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