キミと、世界の果てまで。



―――「文化祭特別企画!気になる人に思いを伝えよう、告白大会!」




焼き鳥屋の忙しさにより、すっかり忘れかけていたけど、あたし達には告白大会という難関が待ち受けていたんだった。


いや…難関なのはあたしだけか。


レンには、心に決めた相手が居るんだもんね。



チャームの仕業では無い、本物の胸の苦しさが、あたしを容赦なく襲う。



…どうして、あたしはレンの事になると、こんなにも胸を痛めるのだろうか。


寛司や愛海ちゃんも大切だけど、レンだけ“何か”が違う。



そう、何かが―――




「じゃ、あたし行くね!お姉ちゃんに寛司くん、またねー!」




寛司と思う存分話した朱里は、お手洗いに行っていた友達と合流すると、足早にあたし達の元を去っていった。


朱里の突然の襲来に、あたしははぁ…とため息を零す。




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