キミと、世界の果てまで。



朱里の姿が見えなくなった所で、愛海ちゃんが何かを思いついたらしく、手をパンと鳴らしてきた。


頭にはてなマークが浮かぶ。




「折角だしさ、四人で文化祭回ろうよ」



「いいなそれ。レンと未来もいいだろ?」




愛海ちゃんの提案に乗っかる寛司は、あたしとレンに同意を求めてくる。


浮かない気持ちのまま、あたしは首を縦に振る。


レンも同意した所で、愛海ちゃんを先頭に、あたし達は外の世界へと向かった。



学校には名物の一つである、巨大噴水が設置されている。


もうすぐ秋だとはいえ、まだ夏の気候が残っており、噴水から流れる水を眺めるだけで、なんだか涼しげな気持ちになる。




「わぁー!噴水気持ち良さそうー!」




そう叫びながら噴水の近くに走っていく愛海ちゃんを、あたしや寛司、レンは保護者のような感情で見る。



そして、愛海ちゃんが噴水の水に触れようとした時、


―――ボンッという爆発音と共に、噴水の水が空高く上がった。




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