キミと、世界の果てまで。



「凄い!これってパフォーマンスなのかな?」



「この噴水凄いよ、お母さんー!」




文化祭を訪れていた一般客が、噴水を物珍しそうに見ている。


その光景に、あたしの胸は何だか嫌な予感でいっぱいになっていく。



―――違う、これはパフォーマンスなんかじゃない。


これは、もしかして…!




「ちょ…未来!?」




突然噴水に向かって走り出したあたしに向かって、寛司が戸惑い気味に声を掛ける。


だけど、寛司の声を気にする暇など、今のあたしには無かった。




「愛海ちゃん、危ないっ…!!」



「え、未来ちゃん?」




あたしは、噴水に顔を近付けていた愛海ちゃんの身体を、咄嗟に傍にあった芝生に押し倒す。


その瞬間、ゴォーッ!という轟音と共に、噴水の水が辺りに降り注いだ。




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