キミと、世界の果てまで。



「ミライ、ナカタをカンジに預けろ!」




身体中に水で出来た針が突き刺さり、意識が朦朧としてきた頃、突然身体を突き刺すような痛みがなくなった。


視界が回転し、守っていたはずの愛海ちゃんが、あたしの目の前から消えている。



そして…身体中に温かい体温を感じる。


瞑っていた目を開くと、レンがあたしの身体を抱きしめて、針からあたしを守ってくれていた。




「レン―――!!」



「俺なら大丈夫だ。ナカタはカンジが安全な場所に連れて行ってくれるはずだから、心配すんな」




その一言で、あたしの視線は寛司と愛海ちゃんの方へ。


愛海ちゃんは寛司に抱えられて、校舎の方へ避難していた。




…よかった。

愛海ちゃんに怪我させなくて、よかった…。




.
< 131 / 312 >

この作品をシェア

pagetop