キミと、世界の果てまで。
何も無かったように過ごす周りの人々と、何かがあった事を問い詰めている寛司。
「レンは俺の従兄弟だ、れっきとした人間だ。なのに何で翼が生えてんだよ!」
「………」
「答えろよ!未来!!」
寛司の様子からすると、レンが異世界から来た騎士という事には気付かず、自分の従兄弟だと思い込んでいる一方で、
チャーム集めに奮闘する“本当のレンの姿”には気が付いてしまったみたいだ。
とりあえず、レンが寛司に掛けた“思い込み”の魔法は解けていないだけ、まだマシか。
「未来とレンは、何に巻き込まれてるんだよ」
「…ごめん、言えない」
「俺に隠し事するんだな、未来は」
冷たい寛司の声に、何故か無性に泣きたくなる。
だけど…ごめんね、寛司。
この事は―――誰にも話せない。
.