キミと、世界の果てまで。
そんな現実から目を逸らしたくなる程に残酷な地球の姿に、ショックを受けながら、ふと思う。
―――そういえば、どうしてあたしは、こうして空を飛んでいるのだろう、と。
―――全身に感じるこの温もりは、一体何なんだろう、と。
「ボーッとしてんなよ、そこの女」
―――そして、あたしの耳元で響く、低くてハスキーな聞き覚えの無い声は、一体誰のモノなのだろうか、と。
数え切れないようなたくさんの疑問を抱えながら、あたしはゆっくりと視線を動かす。
少し首を回した所で、あたしは息さえも出来なくなるような、そんな衝動に襲われた。
サラサラになびく金髪
キリッと整えられた眉
薄く広がっている唇
ずっと見ていたくなる程に綺麗な、ブルーの瞳―――
視線を逸らせない。
いや、逸らしたくない。
こんな状況の中でもそう思ってしまう程に、人の目を惹き付けてしまう男性の顔が、あたしの顔のすぐ近くに存在していた。
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