キミと、世界の果てまで。
必死に足を動かしながら、時々後ろから追いかけてくる寛司の姿を確認しながら、あたしはずっと考えていた。
寛司の言っていた事について。
本来ならば記憶に残っているはずのない、チャームが引き起こした災いの事実。
その事を覚えていた寛司は、いくら考えても異常だ。
それどころか、遡って考えてみたら、寛司にはおかしな点があった。
緑のチャームが引き起こした災いの時、みんなは酸欠で苦しんでいたというのに、寛司一人だけその症状が見られず、レンと共にあたしを介抱してくれていた。
寛司本人は「日頃から鍛えているから」と言っていたけれど…
絶対に、裏がある。
もしかして、寛司もあたしと同じように、地球を護るという使命を、誰かしらに与えられているのだろうか。
それとも、何か他の理由が…?
「待てよ未来!」
「嫌だ!待たない!」
あたしは二年生の教室がある二階へと続く階段を、そう叫びながら上がっていた。
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