キミと、世界の果てまで。
ざわざわと、生徒達が動揺しているのが分かる。
愛海ちゃんは驚きのあまりイスから立ち上がり、その口元はガクガクと震えていた。
でも、一番動揺しているのは、きっとこのあたし自身だ。
「絶対に、お前に告白なんかさせねぇからな…!」
背中に感じる、人間の体温。
さっきまで聞いていた、馴染みのある声。
なんで、なんで…
「俺は未来に言ったよな?唯一の願いを、お前は踏みにじるのかよ」
「…ちが―――!!」
「苦しいくらいに、俺は未来が好きなんだよ―――!」
あたしはその言葉と同時に、包み込まれるように強く抱きしめられる。
告白を邪魔して、ステージで全校生徒の前で思いを告げたのは
誰でもない、寛司だった。
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