キミと、世界の果てまで。
「で、このまま自己紹介をしたい所だけど、もうそんな事をしてるヒマはねぇ」
「え?」
「もう忘れてんのかよ。今自分が置かれている状況を」
レンに言われて、ハッとする。
あたしは今、危機的状況に居るんだ。地球が崩壊するかもしれないという、絶望の中に取り残されているんだ…。
急に大きく開かれたあたしの瞳は、きっと見ていて痛々しいと思う。
揺れる瞳孔が、心の動揺を表していた。
「助かりたいか?」
「レン…?」
「ミライは助かりたいか?大切に思っている人達を、助けたいか?」
大切に思っている人。
その言葉を耳にして、あたしの脳裏には寛司の様々な表情が浮かんでいく。
「未来」って名前を呼んで、
無邪気に笑う寛司の姿が―――
.