キミと、世界の果てまで。



「なんで沖沼くんが?」



「ちょっと、赤羽先輩って一体何者なの…!?」




レンと人気を分け合う寛司の突然の言葉に、女子生徒も言葉が見つからない様子。


ステージの端に立っているレンの表情も、少しだけ固くなっているように思えた。




「な、沖沼くん!今は文化祭の後夜祭なんですよ?邪魔はしないで頂きたい―――」



「うっせーよ地味グラサン会長。俺に口出しすんじゃねぇ…!」




この口調からして、寛司は完璧に怒っている。


あたしが、寛司をキレさせてしまったんだ…!




「寛司…みんな見てるから止めて!」



「誰が見てようと関係ない。俺が今一番大事なのは、未来の告白を止める事だ!」




必死に寛司の腕を解こうとするが、男の力は予想以上に強いモノで、それだけ抵抗してもビクともしない。


寛司の事を初めて「男の人」と実感した時、あたしの腰に巻きついていた腕の力が抜けていったような気がした。




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